JAEGER LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)-腕時計 評判
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【JAEGER LECOULTRE】 ここが良い点・悪い点! 【レビュー113件】
JAEGER LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)は、180年に及ぶ歴史は数多くの発明に彩られている。
創業者のアントワーヌ・ルクルトは、工業製品の加工精度を飛躍的に高める「ミリオノメーター」を1844年に開発。
1/1000mm単位の測定を可能にしたこの装置は、以降半世紀以上にわたって精度の基準となるほどの大発明だった。
時計の機構では、巻き上げと時刻合わせの際の鍵を不要とした、リューズ巻き上げシステムを1847年に開発。
製造工程でも1866年にはジュウ渓谷で初めてマニュファクチュール体制を構築したのである。
開発の中心が腕時計になっても発明は続く。
1931年には、「ポロの試合中にも壊れない時計」という要望を受けて「レベルソ」を開発。時計を反転させて風防を保護できるこの時計は、角型時計の名機として現在もジャガー・ルクルトのフラッグシップである。
同時期には、世界最小の手巻きムーブCal.101を開発。縦14×本黄48×厚3.4mm、重量1g未満という極小サイズに、時計界が驚愕した。
現在までにジャガー・ルクルトが発明してきたキャリバーは、超複雑ムーブメントからシンプルなものまで1230を超える。そのうち、2000年以降だけでも70種類以上の新型を手がけてきたという。もちろん、すべて自社で開発・設計・製造されたものはかりだ。
また、こうした開発のなかで取得した特許も約400件と、その実績は圧巻である。
ジャガー・ルクルトの製品は、先進性に秀でているだけでなく、クオリティコントロールも万全だ。時計界随一の厳格な内容が定められた自社基準「1000時間コントロールテスト」を全製品に実施。
精度はもちろん、ムーブや時計の耐久性、防水性が、文字通り1000時間かけて徹底的に検査されている。
新たなものを生み出し、それに絶対的な品質を付与する。これがスイス時計界を代表するマニュファクチュールブランド、ジャガー・ルクルトの流儀なのだ。
近年発表され、大きな話題となった「ジャイロトゥールビヨン1」。
このモデルに搭載された"球体トウールビヨン"は、内側と外側のふたつのキャリッジを装備し、それが同時に、3次元的に回転することであらゆる方向からの重力の影響を分散させ、時間精度を向上させるシステムだった。
この画期的な球体トゥールビヨンに改良を施し、なんとレベルソのケースに封じ込めてしまったのが、その名も「レベルソ・ジャイロトゥールビヨン2」である。
この改良が凄い。
まずはヒゲゼンマイだが、これが通常の平ヒゲやブレゲヒゲ(巻き上げヒゲ)ではなく、かつてのマリンクロノメーターに搭載されたような円筒形のシリンダー型ヒゲゼンマイなのである。
最初、この新作を見たとき、そのヒゲゼンマイがあまりに自然にキャリッジ内に収まっているため、「1」でもそうであつたか?との疑念が頭をよぎった。
しかし、そんなわけはなく、これこそが「2」における改良点であった。この新しいヒゲゼンマイには、完全な同心円状に収縮する特殊な外端カーブが導入され、高精度化に貢献。
さらにトゥールビヨンの内側のキャリッジは18.75秒で1回転、外側のキャリッジは1分間で1回転し、テンプの振動数は「1」の毎秒6振動(2万1600振動/時)から毎秒8振動(2万8800振動/時)にアップされ、さらなる高精度化と安定性の向上が追求された。
もちろん、この高度な技術は外装面にも反映され、キャリッジの上部に設置された文字盤には、無反射コーティングを施したサファイアクリスタルを採用。
メカニズムだけでなく、外装デザインの面でも非常に画期的なモデルとなっている。
マニュファクチュールといえば、つい最近まで、スイスでもわずか数社の貴重な存在だった。
だが最近は自社でのムーブメント開発が活性化し、多くのブランドが″マニュファクチュール″を名乗る。
そんな中、生粋のマニュファクチュールであるジャガー・ルクルトの製品開発が、非常に活性化された印象がある。
それは自称″マニュファクチュール″ への対抗手段なのか?
新作「レベルソ・ジャイロトゥールビヨン2」の発表で来日したステファン・ベルモン氏に聞いた。
ステファン・ベルモンは1966年生まれ。
前社長ベルモン氏の子息。
「リシュモンのやり方は他のグループとまったく違います。個々のブランドが独立性を保持しているのです。ただストレスだったことがひとつ。それはコンピュータのソフトが変わったこと。それだけです」
「確かに今では″マニュファクチュール″という呼称が氾濫していますが、それは主にマーケティング戦略で使っているものです。以前の我々は資金面で思ったような開発ができなかったのですが、リシュモングループとなって資金面の問題が解決したとき、本物のマニュファクチュールであることをアピールするには、なにより商品を作ることだと考えたのです。そこでまず我々は、クラシックなレベルソを改革し、外装を進化させて1998年に″グランスポール″を作りました。それは一般の人にマニュファクチュールの力を認識してもらうため、わかりやすいように外側から変えたのです。マニュファクチュールとは、全部、自社でできなくてはいけませんから、これは当然です。次に手掛けたのがムーブメント。その集大成が″マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ″です。これは商品というより、マニュファクチュールを証明するデモンストレーションとして発表したものです。ここに搭載された技術は今後、一般モデルにも採用されていきます」
では、このような製品開発には、社としてのロードマップはあるのか?
「もちろんプランはあります。ただ、研究開発チームは、そのプランに沿って仕事をしているわけではないのです。研究開発と製品作りのプロジェクト・チームは、それぞれ個別に仕事を進めています。こうすることによって、研究部門での自由な発想を生かすことができるのです。そして、彼らが開発した機構の中から、製品プロジェクト・チームが、今後のモデルに採用するものを決めます。具体的な例では2007年発表の″レベルソ・グランド・コンプリカシオン・トリプティック″があります。あの新しい脱進機″エプリス・イゾメーター"は、かなり前から開発されていて、すぐに世に出せる準備ができていました。そして、"トリプテイック″の開発が決まつたことで、この新しい脱進機を入れることが決まったのです。このように研究と製品開発を個別に進めることにより、開発期間を短縮することができたのです。今回の″レベルソ・ジャイロトウールビヨン2″にしても、機構自体は10年も前から開発を進めており、新しいシリンダー型ヒゲゼンマイについてもデータは出ていました。あとは製品としての細かなディテールを決め、製品にまとめるだけだったのです」
ジャガー・ルクルトは、175年前から時計を製造している。
創業者アントワーヌ・ルクルトは、1833年にル・サンテイエに最初の工房を開いた。
1866年にジュウ渓谷で初めてのマニュファクチュールとなり、生産規模を拡大していく。
3代目のジャック・ダヴィッド・ルクルトの時代にパリの時計師エドモント・ジャガーに出会い、1937年に現在のジャガー・ルクルトヘと社名が変更された。
同社の歴史は、優れた時計技術を抜きにしては語れないだろう。
多くのムーブメントやレベルソに代表される特殊なケース技術も、スイス時計産業の中で輝いている。
現在は40種以上のムーブメントを作っているが、これは業界最多である。
多くの歴史をたどってきたル・サンテイの工房は、規模の拡大によって何度も増改築されているため、内部はまるで迷路のようだ。
R&Dはエンジニアと設計者の2名でチームを組んで机を並べ、作業を進めていく。
彼らは平均して3つのプロジェクトを同時に進行させており、設計者は完成までにひとつのムープメントに対して、100枚もの図面を描くという。
ひとつのプロジェクトは2〜7年の期間を経て商品化され、ここの歴史の一部となるのだ。
次は同社の頭脳が集まる複雑機構専用のアツセンブリー・フロア。
通常モデルは熟練時計工による分業制で組み立てるが、デュオメトル、トゥールビヨン、ミニッツリピーターなどのコンプリケーションは、ひとりが1個ずつ責任を持って仕上げていく。
ここで作業できる時計師は28名で、最年少はフランスの時計学校を卒業したばかりの21歳。
ちなみに最も製作が難しいジャイロ・トゥールビヨンだけは、特別に許可された4名のベテラン時計師が担当している。
彼らはジャガー・ルクルトを支える最高技術者であり、同時にスイス時計界の至宝でもある。
次はパーツの製作工程。
コンピュータ制御の旋盤機やマシニングセンタが、20台以上も並んでいる光景は圧巻だ。
ここで使われているマシンは、スイスの「ALMAC」。
本社はラ・ショー・ド・フォンにあり、多くの時計メーカーで採用されている名門メーカーである。
切削マシンが一心不乱に金属塊と格闘しているケースの製造工程を観察していると、多くのマシンでレベルソとレベルソ・スクアドラのケースを作っていることに気付く。
ジャガー・ルクルトのマスターピースである両モデルは、誕生から80年近く経過した(スクアドラは3年前からの発売だがデザインは1931年当時に完成している)現在でも、圧倒的な人気を誇っているのは驚異的。
定番の魅力は世紀を超えるのだ。
ケースのポリッシング工程では、レベルソ・スクアドラのケース磨きの作業工程を見学したのだが、シャープなエッジが特徴となるモデルのため、作業は非常に気を遣っている。
そのため、ひとつのケースを仕上げるのに、1時間も費やすそうだ。
仕上げといえば、ムーブメントの地板に施すペルラージュやコート・ド・ジュネーブ仕上げも、当然社内製作だ。
各机の前に仕上げ指示書が貼られており、こと細かく波紋の位置が書かれている。
地板を固定し、そこに回転する刃をテンポよく押し当てていくことで、みるみる地板に美しいペルラージュがつけられていく。
地板やパーツの表面を美しく仕上げるのは、鑑賞するためというよりさびの発生を防ぎ、油止まりを良くするため。時計技術の最先端を極めつつも、伝統的に受け継がれてきた技術も大切にしていこうという気概を感じる。
ジャガー・ルクルトは近年、新たに工場を拡張している。現在の敷地から1.5倍にまで拡張させるという。その理由は「仕上げの向上」。
技術はトップレベルだが、ムーブメントの仕上げだけは、他社に比べると見劣りする点もあったのは事実。
そこでジャガー・ルクルトではこの弱点を払拭すべく、拡張工事に踏み切ったのだ。
この点も実に地道な選択をしており、好感が持てる。時計の価値を手っ取り早く上げるには、話題先行のド派手な時計を作ればよい。
例えそれが市販化されなくても、話題にはなるだろうし、何よりも箔が付く。
しかし、一般ユーザーはどんどん岐帳の外に置かれてしまうということを忘れてはならない。
その点、ジャガー・ルクルトは、根幹を失っていない。技術革新というベクトルは、機構だけでなく仕上げやデザインにも共通しているのだ。
ル・サンティエの地にどっかりと根を張り、地道に前進を続ける。
この生真面目な姿勢こそが、ジャガー・ルクルトらしさ"いぶし銀"の源泉なのである。
マスター・グランド・トラディション・ジャイロトゥールビヨン3・ジュビリー Ref.Q5036420
39万6900ユーロ
創業180周年記念の二部作にして、超複雑「ハイブリス メカニカ」シリーズの10作目。プリッジのない新型球体トゥールビヨンに新型T求体ひげゼンマイを備えている。世界限定75本。
マスター・ウルトラスリム41 Ref.Q1332511
145万9500円
ビュアなラウンドフォルムを携えたマスター・ウルトラスリムに加わった41mmサイズ。特徴的なベージュダイアル上には、気品漂うコールドの植字インデックスとドーフィン型針をセット。
グランド・レベルソ・ウルトラスリム トリビュート・トゥ1931 Ref.Q2788570
80万8500円
ポロ競技中のカラス破損から時計を守るために考案された反転式ケース構造を持つ「レベルソ」。その生誕80周年記念として、初代機の意匠を現代的なサイズで復活させた。
「レベルソ」が誕生した当時のヴィンテージ・デザインを厚さ7・2ミリの新しいウルトラスリム・ケースに組み合わせて、アール・デコ全盛期の気品あるたたずまいを鮮やかに再現した。その最大の見所は言うまでもなくシンプルな文字盤にある。蓄光塗料を施したペンシル型インデツクスとバトン針は、高いクオリティによって再現された"REVERSO"とだけ記されたロゴタイプも、ジャガー・ルクルト設立前の時代性を物語っている。ステンレススチール・ケースとともに、限定500個のピンクゴールド・モデルが発表されている。
プレーンな裏蓋にエングレーウも可能だ。手巻きCal 822。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約45時間。SS。クロコダイル・ストラップ。日常生活防水。ケース縦46×
横27mm。
グランド・レベルソ・レディ・ウルトラスリム
270万9000円
1933年のレディース・ウオッチをヒントにデザインされたモデル。女性の腕にフィットするドームシェイプのスリム・ケースを採用した。
手巻きCal 846/1。毎時2万1600振動。バワーリザーブ約40時間。ダイヤ付き18KPGケース&ブレスレット。日常生活防水。ケース縦40×
横24mm。
グランド・レベルソ・デュオ
169万500円
ふたつの文字盤が異なった時間帯を示すデュオフェイスを搭載した。従来のケースをややサイズダウンしたため、日本人の腕への装着性が向上している。
24時間表示付き。手巻きCal 986。パワーリザーブ約48時間。18KPGケース。クロコダイル・ストラップ。日常生活防水.ケース縦48× 横29
5mm。
レベルソ・デュエット・デュオ
189万500円
クラシカルな2針文字盤の裏側に、デイ&ナイト機能付きの第2時間帯表示を備えている。ケーズにダイヤを配した第2文字盤が、とりわけ魅力的だ。
手巻きCal 854/1。毎時2万1600振動。パワーリザーブ約45時間。ダイヤ付き18KPGケース。クロコダイル・ストラップ。日常生活防水.ケース縦402×横25mm。
マスター・コントロール Ref.Q1548420
63万円
1950年代のシンブルな機械式時計を紡彿とさせる、王道ラウンドウォッチ。くさび形とアラビア数字を組み合わせたインデックスやブルースチール針など、要所にこだわりが見られる。
レベルソ・ジャイロトゥールビヨン2
3780万円
レベルソのケースに見事に納められた球体トゥールビヨン。手巻き、Cal.174.パワーリザーブ約50時間。トゥールビヨン、24時表示。Pt。縦55.0×横36.0×厚さ17.7mm。30m防水。レベルソのケースに合わせて開発された完全なレクタンギュラー型のCal.174。表文字盤に時分針と24時表示、裏文字盤にパワーリザーブ・インジケーターを配置。6つのマスロットを備えるテンプとシリンダー型のビゲゼンマイ。
レベルソ・スクアドラ・ワールド・クロノグラフ・ポロ・フィール
294万円
初めての角型セラミンク・モデル。ラグはポリッシュチタン、ダイアルはカーボン。自動巻き、Cal. 753。パワーリザーブ65時間。セラミック×チタン。縦53.0×横36.5×厚さ16.5mm。50m防水。裏面のワールドタイムは、レベルソ誕生の契機であるボロの盛んな都市など24都市を表示。
マスターグランド・ウルトラスリム
153万3000円
超薄型の「ウルトラスリム」に自動巻き誕生。小秒針装備の古典デザイン。SSモデルは88万2000円。自動巻き、Cal. 896。パワーリザーブ43時間。18KPG。直径40.0×厚さ8.60mm。シースルーパック。
マスター・ホームタイム
197万4000円
センターの2本の短針でホームタイムとトラベルタイムを表示。12時位置の24時計はホームタイムに連動。秒針と長針分針は共有。自動巻き、Cal.975H。パワーリザーブ48時間。18KPG。直径40.0mm。
AMVOX3 トゥールビヨン GMT
997万5000円
「AMVOX」初のトゥールビヨン。自動巻き、Cal.988。パワーリザーブ48時間。トゥールビヨン、第2時間帯表示、ポインターデイト。セラミック×18KPG。直径44.0mm。50m防水。世界限定300個。プラチナ・イリジウムの回転錘と、カーボンファイバー・アームのローターを採用。
マスター・ウルトラスリム
145万9500円
「マスター・ウルトラスリム」創業175周年記念モデル。PGとチョコレート文字盤がエレガント。手巻き、Cal.849。パワーリザーブ35時間。18KPG。直径38.0mm。シースルーバック。世界限定575本。
マスター・エイトデイズ・パーペチェアル・スケルトン
1165万5000円
製作に2ヵ月要する芸術的複雑時計。全表示調節がひとつのコレクター(内蔵ボタン)で可能。使い勝手も配慮する。手巻きCal.876SQ。パワーリザーブ8日間。18KPG。直径41.5mm。50m防水。
メモボックス・トリビュート トゥ・ポラリス
180万6000円
伝説のアラーム・ダイバーズ・ウォッチ「ポラリス」。これは1968年に製作されたモデルの忠実な復刻版。発表と同時に世界中のバイヤーに大人気。自動巻き、Cal.956。パワーリザーブ45時間。SS。直径42.0mm。200m防水。世界限定768個。耐水性と耐衝撃性、そして音の拡散をも考慮した特殊な2重構造の防水ケースを採用。
メモボックス
8万8000円
欲張りな人間は、身につける唯―の機械である腕時計に生活に便利な機能をできるだけ組み込もうとしてきたが、アラームもそのひとつだ。ポケットウオッチの時代から時計に組み込まれる複雑な機能は、時計職人の意地と可能性ヘの挑戦の欲求との産物であったが、アラームを付けるというのはむしろ使い手の欲求であったに違いない。時計史をひもとくと、1912年にすでにアラーム付きの腕時計が登場していた。しかし、アラーム腕時計として完成したのが、1940年に作られたこのメモボックスだ。中心部がアラーム用ダイアルで、上のリュウズを引き出して回すと三角計がついた円盤が左方向へ回り、アラーム時刻がセットできる。このリュウズを巻くとアラーム用ゼンマイが巻ける。アラームをセットした後は、 リュウズを押し込んで元の状態にしておくと、セットした時刻にアラームが鳴りだし、止めるにはリュウズを引き出す。アラームはムーブメントに組み込まれたセミのような振動板が小刻みに激しく震えて、音を出すという仕組みだ。ユニークな技術開発を得意とするメーカーらしい傑作だ。
フューチャーマチック
9万8000円
リュウズのない時計が、自動巻き時計に対する憧れを表している。毎日、リュウズを巻かなくとも、腕にしていさえすれば動く時計を作ることは、時計職人の長い間の願望であった。それが実現したのは、1930年代になってのことだ。そしてジャガー・ルクルトが巻き残量を示すインディケーター付きの「フューチャーマチック」を開発したのは、1953年のことだ。リュウズを裏ブタに隠してしまったのも、毎日、はめてさえいればリュウズを巻く必要がないことを象徴している。さらにインディケーターを付け、自動巻き時計を一歩、進歩させた。ムーブメントはキャリバ947のローター式自動巻きムーブメントで、「キフ・プロテショック」とぃう耐衝撃装置を備えている。ゼンマイの巻き量の残り時間を示すインディケーターは40時間までの目盛りが付いている。インディケーターの針は時計とは逆に回転しながら、残り時間を示す仕組みれ「レベルソ」や「ミステリアス」など技術的にユニークな時計を開発したジャガー・ルクルトらしい時計として当時の話題を呼んだ。
レベルソ
時価
ジャガー・ルクルトが時計を反転させてしまうユニークな機構のレベルソを発表したのは1932年のことだった。スポーツ・ウォッチといわれるが、むしろエレガントで粋な時計だ。第1次世界大戦後に著しく発展した交通、通信などの社会の発展が、時計の価値を高め、それと同時にポケットからとりださなくとも即座に時間がわかる腕時計が欠かせないものとなった。しかし、ポケットウオッチのダンディズムは忘れられない、という紳士のために、ダンディなスポーツウォッチとしてレベルソは登場したのだ。時計部分を下にしてブレスレットとして使うこともできるという粋な配慮とともに、なによりこれはスポーツをする時に激しい動きや衝撃から時計を守るために考案、設計されたものだった。美しいシェイブは、当時の先端をいく人々をくすぐったことだろう。1833年に時計用極小精密歯車の製作機を発明した時計職人のアントワーヌ・ルクルトによって創設された「ジャガー・ルクルト」は数多くのユニークな機構の時計を生み出したが、これもその典型だ。
ロンドンを拠点に活動していたスイス人の実業家セザール・ド・トレーが、インドでポロ競技のパーティーに出席していたときのこと。競技に出場していた将校から風防の割れた時計を見せられて、もっと衝撃に強い時計は出来ないものかと尋ねられた。ヨーロッパに戻ったド・トレーは、早速ムーブメントの製造をジャック・ダヴイド・ルクルト、ケースの設計をフランス人技師アルフレッド・ショヴオーに依頼する。ショヴォーは1931年3月に「ケースをスライドし、180度回転させられる時計」を考案して特許を取得し、さまざまな時計メーカーに売り込みを図った。そこでド・トレーは特許権を買い取って、ダヴィド・ルクルトとともに販売会社を設立。ケースはジャガー社が担当し、ムーブメントはルクルト社が作ることで「レベルソ」の製造をスタートさせた。そして、その3年後には社名がジャガー・ルクルト製品販売会社に変更されて、現在に続くブランドの歴史が始まるのだった。最初に作られた「レベルソ」は、開発の目的通リインドに送られてポロ競技者たちに評判となる。だが、次第にスポーツ・ウオッチの枠を超えて、著名人やファッション界の人々を魅了していった。ラグに施されたゴドロン模様や「キュービズムのトノー型」と呼ばれたケースのフオルムが、アール・デコ全盛の時代にマッチしたのである。当初はプレーンだった裏蓋にはイニシャル、献辞、紋章を始め、エナメル細密画入りも登場。一方、1933年の女性用キャリバ1404に続き、男性用スモールセコンド・タイプのキャリバ1410やセンターセコンドのキャリバ1411など、第二次大戦までに11個もの専用ムーブメントが開発され、バリエーションは大きく広がった。1970年代に入るとダイヤ付きの「レベルソ」が初登場。また、84年にはケース構造を見直して、30個以下だった部品数を50個以上に増やすなど、信頼性と使いやすさを大幅に向上させた。そして、「レベルソ」の誕生から60周年を迎えた1991年には、ビッグサイズのケースに初の複雑機構を納めた「レベルソ60周年記念モデル」が発表される。同時にトゥービヨンやミニッツリピーターといつた複雑コレクションも順次販売を開始。また、94年にはふたつの文字盤をもつ初の腕時計「レベルソ・デュオ」も誕生した。"複雑機構"と″"両面文字盤"を軸とした「レベルソ」のアイデンティテイは、こうして確立されたのである。
デュオブラン
時価
革命的ウォッチとして知られている。というのは、 メカニズムを上下2層に分けることで当時実現が絶対に不可能と考えられていたことを可能にしてしまったからである。つまり、彼等は小型で同時に信頼性の高いムーブメントの開発に成功したのだ。それによると、外形7ないしは5型のムーブメントを収めるようにできている上下2つの仕切に、それより大きめで信頼性がずっと高い9ないしは11型のムーブメントを収めたもので、下層にはやはり普通のサイズよりやや大きめのテン輪が入っていた。また、従来の時計の18,000回に対し1時間に21,600回転振動し、それによって精度が飛躍的に向Lしたのである。ところで、当然のことながら同社はこのメカニズムのデザインや仕上げの段階で多くの苦労を強いられている。例えば、ただ地板や受の表面を平削りする場合でも、小さく限られた場所に施すことになるので様々なテクニックが必要となるのだが、これだけ言えばその大変さがお解りいただけるであろう。デュオブランはまた、内側と外側の2重ケースによってムーブメント全体を保護する構造にもなっていた。裏ブタには2つの蝶番がついて開閉でき、閉じるときにはカチツという音がした。そして、巻上げリューズは何とケースの裏ブタに付いていたのである(裏リューズ式)。こう言うとちょつと驚かれるかもしれないが、実際は巻上げ操作は楽にできた。それはリューズがほんの少しケースの端からはみ出していたからで、
1本の指でそれを送っていくだけで簡単に巻上げることができたのだ。また、 リューズはゴールド製で左ネジで取り付けられいたが、引き出すと時刻合わせができ、パッキンによって埃や湿気の侵入が防がれていた。さらに、
ケースはガラスの縁に沿って段が付けられており、同社特有のダイアルは非常に読みやすいのが特徴であるが、元の光沢がいつまでも失われないよう表面には特殊な加工が施されていた。このモデルは外形がどことなくレベルソに似ているが、異なっているのは商品として魅力的な2つの特典がf」いていたことで、発売当時市場で大反響を呼んだ。その1つは、尚い精度と信頼性の証として、購入Hから2年間の保証が付けられていたことである。この期間内に故障した場合、同社は新しい部品と取り替える約束をしてくれた訳だが、
これによって販売店自身が修理する手間を省くこともできたのた。さらにもう1つは、紛失、焼失、盗難などのトラブルに備え、保険がかけられていたことである。同社はロンドンにあるロイド保険会社と提携して保険証書を発行しており、
これはロシアとアメリカ以外の|IL界各国で有効であった。当1寺の広告の説明では、価格のわずか2パーセントを余分に支払うだけで保険に加入でき、保証が受けられるというものだが、必要でなければ支払う必要はなかった。そして、
2年間の保証期間内に故障が発生した時の部品交換に備え、同社は便利な制度も設けていた。デュオブランを置いている全販売店に、 2層ムーブメントを収めたケースを予備として用意させていたのである。その上、
このムーブメントは6ヵ月ごとに十分に油を差した新しいものと取り替えらオした。デュオプランにはイェロー・ゴールド製、ホワイト・ゴールド製、スチール製の3タイプがあったが、
ステール製の売れ行きが一番良かった。:当時の広告によれば、 ゴールドは傷つきやすいのでもっと丈夫な素材を開発しようと同社は研究を重ねた結果、装飾的なスチール・ウォッチが誕生したのだそうだ。このウォッチはまた、本来婦人用にデザインされているが、宣伝では「大きなムーブメント倒を搭載した小型ウォッチというキャッチ。フレーズで男性にもアピールしている。コレクションには全部で10モデルが製作された。ところで、
この時計にはもう1つ特筆すべき点がある。それは素材に使われていたステイブライトというスチールであるが錆びないのが特徴で色はホワイト・ゴールドであった。
また、「クルップ・ステールやスウィディッシュスチールのような青みを帯びた光を出さない」スチールでもあった。そして同社が販売I占に配布した説明書には次のように書かれていた。「ステイブライトは極めて硬く、加工する|こは非常に骨が折れるが、
ウォッチのケースには最適な素材である。以前使われていたクローム・メッキ処I里した合金は間もなく全てこれに取って代わられるであろう。ステイブライトのケースは変形、曇り、変色が全くなく、絶対に腐食しないのが特徴である。医療用器具にも使用され、年中消毒液に浸しておかなければならない注身針の素材にもなっているほどである」
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