PAUL PICOT(ポール ピコ)-腕時計 評判
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クオーツウオッチが隆盛を極めていた1976年に、イタリアの時計収集家としても著名なマリオ・ボイオッキが創業。
時計産業の盛んなスイス・ジュラ地方のル・ヌアルモンに工房を構え、伝統的な時計技術の継承と新たな時計作りへの挑戦に当初より孤軍奮闘してきた。
「気品はデイテールに宿る」という哲学のもとで作られるポールピコの製品は、独創的なデザインと優美なフォルム、そして熟練職人のハンドメイドにこだわった仕上げが特徴。
その成果として完成したのが世界初のパワーリザーブ付きスプリットセコンド・クロノグラフ「テクニカム」(1993年)や、シックなスタイリングの「ジェントルマン」(2002年)、立体構造ダイアルの「テクノグラフ」(2005年)など、いずれ劣らぬ高性能かつユニークな時計たちだ。
さらに2007年には、コンプリケーションの代名詞「トゥールビヨン」を発表し、新たな一面を披露。
2010年には回転ディスク表示を「テクノグラフ」に搭載するなど、高度な技術力を改めて示したのである。
現在も創業当初に掲げた志をそのままに、伝統を基礎としながら新鮮さも併せ持った秀作を発表し続けている。
プランジャータイプC 43クラシック Ref.4118SS
26万2500円
既存の33mm径、38mm径と同様のシンプルな3針ダイバーズウオッチ。直線を活かしたブロックパターンはそのまま、43mm径に合うよう針やベセルに施したカラーデザインを変更した。ホワイト以外にブラックもある。
テクニカム1872 Ref.3813SS
49万3500円
1969年に登場した手巻きムープメント「レマニア1872」を、テクニカムに搭載。ムープのネジやレバーにブルーPVDを施し、摩耗を軽減しながら見た目にも個性的な時計を作り上げた。
1993年に誕生した複雑時計のテクニカムが、2011年にシンプルな2つロクロノとして復活。翌2012年、そのフラック仕様が登場した。ケースに艶やかなフラックPVDを施し、ダイヤルも従来モデルに比べてフラックの印象が強いデザインに。裏スケから美しい手巻きムーブが堪能できる。
テクニカムというネーミングには、往年の時計ファンにとっては懐かしいはず。20年前に誕生した初代テクニカムは、それほどのインパクトがあった。現行モデルは複雑機構のスプリットセコンド・クロノではなく、シンプルな2つロクロノ。だが、スウエーデン空軍用として開発され機能面でも定評のある「レマニアー872」が搭載されており、ネジやクロノグラフのレバー類にもブラックPVD加工を施して耐摩耗性を向上。シースルーバックからはぃフラックのコントラストが印象的で、手巻きムーブの美しさを際立たせている。ネオクラシカルな風貌に時計製作の伝統の技を注き込んだ、ソツのない時計に仕上がった。2つのインダイヤルは、9時位置がスモールセコンド、3時位置が30分積算計。つまり、通常の3つ目なら装備されているはずの12時間(もしくは6時間)積算計がない。これではクロノグラフも30分までしか計測できない。最近の2つロブームに乗った仕様を採用しているのが残念。
ファーシヤー ラウンド デイデイト
36万2500円
スイス時計の聖地でもあるジュラ地方の針葉樹の森から命名されたファーシャーシリーズの生誕15周年記念モデル。自動巻きムーブのローター外周部を比重の重いタングステン製とし、安定的な巻き上げに貢献。6時位置のインダイヤルは、青い短針で曜日、赤い長針で日付を示す。
針葉樹の長く張り出した木の根が、スイス・ジュラ地方に伝わる時計製作の歴史の深さと、ポールピコ社の発展を意味しているという「ファーシャー」は、機能性とデザイン性を高度に融合したコレクション。その生誕15周年を記念して2012年に発表された3本は、ムーンフエイズ、レギュレーター、そしてこのデイデイト。いずれもETA2892に、デュボア・デプラ社製のモジュールを搭載して特別機能を付加したものだ。グレーとクリームカラーのダイヤルがラインナップしており、全体にシックな雰囲気のなか、写真のクリーム色はややモダンな感じが強調される。針で指し示すポインター式デイデイト以外、インデツクス&指針とも極めてシンプルにまとめた。記念モデルらしい、飽きないデザインだ。唯一の個性的な意匠といえるデイデイトとシースルーバック以外、見るべきところが少ない。せめてデイデイトを、もっと大きく大胆にデザインすれば、インパクトがあったのだが、残念。
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